日時:2025年6月29日(日) 会場:見附市文化ホール

大盛況でした、190名が聞き入った
「新潟県には2年続けて2度目の訪問です」と、講演がはじまりました。仕事での訪問は、見附市が初めて、立て続いた新潟県へのご縁に過去の様々な出来事が降り積もって今があるんだなと、来場された190名の方へ語られました。
「歴史を知る、歴史を書く」
まず、史実を骨格とする「歴史小説」と、過去を舞台にしたフィクショナルな「時代小説」の違いを解説をされました。その上で、私たちが知る歴史は、後世に作られたイメージかもしれないと問題提起。例えば、坂本龍馬の「〜ぜよ」という言葉は司馬遼太郎の小説やドラマの影響で定着したもので、史実とは異なると指摘されました。記録がなければ歴史は存在せず、残された記録からでさえ、思い込みによるイメージが形成されることがあると語られました。
歴史学では扱いきれない、記録に残らない人々の営みや感情を、史実という柱の間に創作で肉付けして描くのが小説家の仕事だと述べられ、歴史は遠い過去の出来事ではなく、現代と地続きのものです。当たり前だと思っている歴史のイメージを疑い、多角的に見ることで、歴史はもっと身近で面白いものになるのではないか。そうした視点から歴史を知ることが、今を生きる私たち自身を考えるきっかけになると締めくくられました。
記録がなければ歴史は残らない、せっかくの講演会を当館の歴史とさせていただきました。当館の螺旋階段も上に昇っているのか下に下がっているのかわかりませんが、この事実、現実が降り積もって未来へとつながって行くのでしょう。
平安貴族は遊び人?竜馬の「~ぜよ」は高知弁?額田王は美人?妖艶?
皆さまのご来場、誠にありがとうございました。